2011年6月度
エフエム愛知6月放送番組審議会が、去る6月14日、田中委員長をはじめ委員7名とエフエム愛知関係者が出席して開かれました。今回は、平成23年2月13日(日)午後6時30分〜午後8時00分にかけて放送された番組「ラジオ・ミュージカル『本能寺が燃える』特別編」を試聴し審議を行いました。

委員からは「12話まとめて聴くことが出来てとても興味深かったです。まさに企画意図の通りで、まずは名古屋の文化振興についてですが、同じようにラジオミュージカルをいろいろな歴史上の人物で出来るかと言ったら出来ないと思うんです。私たち東海地方の人間にとって信長とか三英傑はもとより、光秀もなんとなく身近に感じていますし、岐阜の方も聞いていると思うんですが、美濃・尾張という土地や長良川、木曽川と言われた時に身近に感じているというところがあって、併せてある程度の他の歴史上の人物と比べても興味があるだけに基礎知識もあるところで聴いているので、たくさんのことが語られるわけではないのですが、これまで持っている知識や自分の理解で上手にラジオを聴きながら繋いでいくことが出来るので、こういう企画があった時には、やはり、その地域の人物や地域を背景にした物語というものを取り上げたことがひとつとても良かったことだと思います。もう一つ、ラジオの新しい可能性についてですが、新しい可能性なのかどうかはともかくとして、やはりラジオは多くを語り過ぎないというか、聴き手の想像力に頼っている部分というのが、逆にラジオの魅力なんだなという事を再発見しました。物語を聴きながら、皆さんそれぞれ帰蝶や光秀をイメージ、あるいはセリフを言っている時のカット割りのようなもの、どういう大きさで自分の目の前に映っているのかということがものすごく自由ですね。聴き手の想像力を刺激できるということがラジオの面白さなんだということが再発見できて良かったと思っています。ですから、脚本云々以上に名古屋・東海地方をテーマに取り上げていること、ラジオだからこそ出来る聴き手の想像力に対する刺激がうまく表れている作品だと思います。その上でやはり難しいなと思ったところは具体的に言うと第7話辺りにいろいろな人物が次々登場するところ、足利義昭、秀吉、今川義元も出てきて…というところは、映像であれば誰が今しゃべっているのかわかりやすいのですが、声・しゃべり方だけで聴き分けさせるというのが難しさなのかなと思いました。それでちょっと混乱するところがありました。一部を聴いているので、もう少し長く聴いていれば、それをサポートするようなナレーションがあったかもしれないのですが、登場人物が込み入ってくると難しいなと思いました。」、

「コンセプトの点でいうと、企画意図通り目をつぶって舞台のミュージカルを聴いているような感じがありました。テレビでミュージカルもあまりやっていないし、実際にそういうのを観る世代も限られていると思いますし、またミュージカルを現場に観に行く人も少ないとなると、ラジオでミュージカルを気軽に聴けるというのはミュージカル自体にも興味を持ってもらえるという相乗効果があると思います。ラジオドラマから発展してミュージカルも出来るんだなという点が非常に面白かったと思いました。内容的には帰蝶と光秀の関係がラブストーリー調になっていたことが斬新だったことと、ミュージカルの中でも戦国時代をポイントにしているところも面白かったです。ボランティアのキャストということですが、だんだん聴いていると非常に味があって、ボランティアでやっているとは思えないくらい聴きやすくのめりこめる内容だったと思います。非常に面白かったです。」、「すごく新鮮に聴かせていただきました。ミュージカルをラジオで聞くというのは初めての体験でしたので、のめりこめるような、入っていけるような感じで聴かせていただきました。ミュージカルということなので、FMならではの音質を生かした形になっていて、AMでもよくあるラジオドラマとはちょっと違った形で、“歌を聴く"というところでも楽しませていただけるというもので非常に良かったと思います。ストーリー自体、誰もが多くの人がバックグラウンドに知識として持っているものがベースになっているので、それも非常に良かったと思いました。今回は1時間で編集されたもの全部聞かせてもらいましたが、これを12回に分けて聴いた場合との違いを考えてみますと、15分ぐらいが限度かなと思いこんでいましたが、意外と1時間入り込めて聴けたので、ストーリーがストーリーであるがゆえに、長くても音だけでも聴けるものだなと思いました。放送時間は15分ではなくて、30分という尺があってもいいのかなと思ったので、尺の取り方のあたりが今後検討の余地としてあるのかなと思いました。」、

「歌の部分は良いのですが、演技をされている方が素人っぽかったのが気になりました。ミュージカルならば、もう少し感情や抑揚を付けたら良いと思いました。」、「ミュージカルはすごく難しいと思うんですね。ラジオでミュージカルがほとんどトライされていないのは声で役柄を全部やらなくちゃいけないということと、役柄役柄がどういう関わり合いなのかというのをものすごく考えなくちゃいけないですよね。ミュージカルの良いところは内容や感情を歌に移し替えることによってより情感が激しく見えたりとか状況をより詳しくもっと感情的に見せたりするという点ですが、やはりその辺りに物足りなさを感じます。もちろんミュージカルを観てるのとは全然違うので、よく作ってあるとは思います。すごくわかりやすいし、特に言葉がすごく簡単なので、若い人にもわかりやすいと思います。ただ、作詞の部分でもう少しひねりや、ボキャブラリーが欲しいと感じました。音楽ももっとメリハリをつけて、盛り上がっていったほうがいいですね。今回は割と平坦であまり盛り上がりませんでした。その辺りはなかなか難しいと思います。やりすぎると気持ち悪いですが、もう少し感情を込めてほしかったです。1作目でギャラクシー賞受賞はすばらしいですね。ミュージカルは題材が難しいのと、曲を書いてくれる人、演出をしてくれる人、お芝居をしてくれる人を探すのだけでもお金がかかりますし、作るのもとてもお金がかかるので、頑ってほしいです。」などの意見が出されました。

審議内容は、番組関係者に伝達し、今後の番組改善の参考としています。

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