第17回 『明順応・暗順応』
「秋の全国交通安全運動」・・・ 運動重点は
・子供と高齢者の安全な通行の確保と高齢運転者の交通事故防止
・夕暮れ時と夜間の歩行中・自転車乗車中の交通事故防止
・すべての座席のシートベルトとチャイルドシートの正しい着用の徹底
・飲酒運転の根絶                                         です。

 運動重点にある「夕暮れ時の歩行者・自転車の事故防止」ですが、その推進項目として自動車運転者に対して「夕暮れ時における自動車の前照灯の早め点灯の励行」というのがあります。
夕暮れは「早めにライトをつける」という内容が一番最初にありましたね。日が傾いて、ドライバーからは歩行者などが見にくくなるからですよね。では「明順応・暗順応」という言葉をご存知ですか?
例えば昼間にトンネルから出る、すなわち暗いところから明るいところに出るとき、まぶしくて最初は見難いですが、だんだん目が慣れて見えるということ、それを明順応といいます。暗順応はその逆になります。
 たしかに、日中トンネルの出入りなどで、それぞれ見難いことありますよね。
目にある2つの視細胞、錐体と杆体の機能によって起こるのですが、問題は目が慣れるまで時間がかかるということ。明順応より暗順応の方が慣れるまで時間がかかるということ。そして走行中であれば、その間も車は進んでいるということです。
明順応は1分~2分程度で目が慣れるのに対し、暗順応は1時間ぐらいかかると言われています。高齢者の場合、目の水晶体に色が付いたり、瞳孔の動きが悪くなったりするので、若年層より更にものは見えにくくなるし、暗順応にも時間がかかります。
段々と暗くなる日暮れ時に、暗順応によって目が慣れるまで時間がかかるドライバーは、見にくいまま運転することになります。
ですから早めにライトオン!是非その理由も知っておいてほしいですね。