第9回 『かもしれない運転』


12月に入ると、すっかり昼の時間が短くなりますよね。夕暮れ時 皆さん早めにライトを点灯して下さいと以前お願いしたのは覚えてますか?
早めの「ライトオン」で道路を照らし、見やすくすることは重要です。
では、ライト点灯時「右側が見にくい」というのはご存知ですか?
自動車は、左右にヘッドライトが着いており、同じように照らしていると思うかもしれませんが、ヘッドライトは、右と左では照らす場所が違うんです。
なぜ場所が違うのか—日本は左側通行です。つまり自分の車の進行方向の右側に対向車がいますよね。
道路交通法では先行車や対向車がいるときには下向き・ロービームにし、対向車などのドライバーが、ヘッドライトでまぶしくならないようにします。実は下向き・ロービームの時、対向車側がまぶしくならないように、右側ヘッドライトは左側より自分の近くを照らし、対向車側は見づらくならないようになっているのですね。
 左側はある程度の距離の歩行者や自転車や他の車を確認できるけど、右側はもう少し近づかないと、確認できないということです。
 左側の歩道や車道は明るく照らす。それで確認したつもりでいると、自車の右側近くに歩行者がいる可能性も。
さらに、蒸発現象というのを聞いたことありませんか?自分の車のヘッドライトと対向車のヘッドライトが交錯すると、その場にいる歩行者が見えなくなることを言います。ちょうど、横断歩行者が道路中央付近にて立っていると見えなくなるのです。
少しの時間見えなくなるだけですが、そのタイミングで立っている人がいないと判断すると、そこには歩行者が…。
想像して下さい。夜の道で、自分の車線はスムーズに流れるが、対向車線は渋滞。もちろん自分はライトを点けて気持ちよく走っていますが、対向車もライト点灯。渋滞で止まっている車両の間を抜けて、歩行者や自転車が出てきても…。



夜は、右から来る歩行者などに気づきづらいということです。
右から来る何かを、そのまま左に受け流すことなく、しっかり確認。そして適切な判断操作をして下さい。
夜の運転は、ライトが点いていればすべてが見える訳ではないということ。特に右側は見づらいので、何かがあるかもしれない…「かもしれない運転」が重要だということです。