第1回 『歩行者を守れ』


初回のテーマは、「歩行者を守れ」—運転するうえで当たり前のことですが、当たり前といっても非常に奥が深いものなんです。

車と歩行者が事故となるのは昼と夜どちらが多いか知っていますか?これは、皆さんが外へ出かけられている昼間です。では、死亡事故になった件数は?昼に事故件数が多いから、昼ではと思われるかもしれませんが、夜の方が多いんです。特に高齢者は夜に多くなってきます。事故が多いのは昼で、死亡事故になりやすいのは夜ということになります。



では、歩行者にとって一日の内、危険な時間帯はいつでしょうか。夜の死亡事故が多いなら夜かと思われるかもしれませんが、答えは、夕暮れ時が一番危険と言われています。
夕暮れ時は、日が傾いて運転手から歩行者は見にくくなる。もちろん暗くなれば更に見にくくなる。だけど、暗くなり始めてすぐにライトを点ける車と、点けない車が混在する。
歩行者側からも車が見にくいのは同じです。車は自分の姿を見てくれていると思い、道路を横断する場合もあります。しかし、運転手からは見にくい場合もある訳です。
夕暮れ時は季節によって時間が変わるし、通学や通勤の時間帯になると歩行者の数が多くなります。
つまり、出歩かれている人が多いから、事故の可能性が高いということです。

同じ道路を通る場合でも時間帯によって状況は変わる。例えば、これから夕暮れにトラックを運転するドライバーには、早めにライトを点けることで自分が見えるようにするだけではなく、歩行者にもトラックの存在が見えるようにするなど、同じルートを走っても、時間帯に応じた注意喚起—これが重要になってきます。
ただ「注意する」ではなく、時間帯に応じた「ひと工夫」が必要なのです。

夕暮れ時は早めのライトオンで!