千葉雄大、成田凌の存在に救われた

(左から)千葉雄大、成田凌 撮影:高畠翼 (C)ORICON NewS inc.
 2018年に公開された映画『スマホを落としただけなのに』の続編『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』が21日に公開を迎える。前作にも登場した刑事・加賀谷として千葉雄大が主演に抜てきされ、前作で連続殺人鬼・浦野役の怪演が話題を呼んだ成田凌と対峙する。作中ではヒリつくような緊張感で相対した反面、2人へのインタビューでは主演の千葉を気にかける成田と、そんな成田に感謝し信頼を寄せる千葉の確かな絆が浮かび上がった。

――今回、千葉さんが演じる加賀谷と成田さんが演じる浦野は、まるで合わせ鏡のようなキャラクターでしたが、それぞれの役柄をご自身でどのように演じていましたか?

【千葉】加賀谷は自分の気持ちや「ああしたい、こうしたい」を前面に出す人物ではなく、秘めるタイプの人間なんだと思います。そこには過去の経験が関係していますが、それでも人と関わっていくなかで、自分がどうしたらいいかわからないときに、(浦野と違って)ちゃんと人の助けを得られるんです。人との関わりに救われた人物なんじゃないかなと思って演じました。

【成田】「2」といいつつ、「1」では浦野という人間はそこまで全面的に出ていなかったので、正直、本当の浦野はどういう人なのか僕もわからないまま終わったんです。

「2」はまた新しい気持ちで演じたのですが、共感できるところはないし、言ってしまえば「2」を通してもやっぱりわからなかったという(笑)。唯一、浦野という人間が感情を出す相手が、加賀谷のみなのかなと自分の中では思っていて。あとは虚像といいますか。浦野自身も自分のことをわかっていない不安定さを、ある種無責任にやっていたという感じです。

【千葉】逆に彼が何も考えずやったことで、こっちが同情してしまうことも結構ありました。そういうつもりでやっていないのに。だから本当にミステリアスでした。何考えているのかわからないという。

【成田】お互いそうだと思うんですが、台本を読んでいるときはすらっと読めた場所も、(本番では)「あ、そこ引っかかるんだ」っていうところがたくさんあって、喋ってるうちに「なんかムカついてきたー!」と自分の中でなって。千葉雄大の芝居が、とかそういうことではなく、お互いが共通認識で引っかかる部分がたくさんあったんです。例えばちょっとした言葉が引っかかって、自分からふっかけていったのに、最終的に自分がダメージを受けるみたいなシチュエーションも何度かありました。

――千葉さんは成田さんと改めて共演されて、感じたことなどはありますか?

【千葉】(ちょっかいを出してきた成田に対し)こういうところにイラッとしたり、救われた局面もありました。いろいろ違う部分がすごくたくさんあるから全部が刺激になるし、見てて飽きない人ではあるし、あとは…かわいいですよね(笑)。人の懐に入るのがすごく上手で、ずるいなって思います。僕はわかりやすく懐に入ることはできるけど、最終的に心を開くのが苦手なんですよ。

――仲の良いお二人ですが、緊張感のあるシーンが多いなかで休憩中に少し距離を置いたりはされたのでしょうか?

【成田】彼は距離を置こうとしてました。椅子が並べてあったとしたら、椅子を持って行ってL字的な方向に座ってたり。なので、僕は当時手に入れたアプリで千葉くんを変な顔にして遊んでたり。こっそりやっていたんですけど結局ばれて、一緒に遊んでくれちゃうっていう(笑)。優しいですよね。

【千葉】でも、ありがたかったです。「そういう悪いくせ、本当に直したほうがいいよ」って言ってくれたりして。僕は役柄に集中しすぎて、入り込んでしまう時があるんです。でもそうなると、狭い視野でしか物事を見られなくなることもある。そんなとき彼のようにこじ開けてくれると、「もういいや」って良い方向に吹っ切れて。そのうえで演技に臨むと、楽にできたりするんです。そういう意味で、彼にすごく助けられました。

――前作の時と関係性が変わった点などはありますか?

【千葉】これまでお芝居の話をそんなにしたことがなかったのですが、今回クラインクインの前に少し話したことでしょうか。さっきの共通認識の話じゃないですが、この作品ではこうしないと多分ブレる、という芯みたいなところは結構一緒だった気がします。ぶっちゃけ最初の10分くらいだけ話して、あとは普通に飲んじゃったんですが(笑)。

【成田】樽に入ったすっごい美味しいお酒があったんですよ。結局全部飲んじゃって(笑)。でも酔う前に話しておいたほうがいいじゃないですか。方向性や感覚的なものを共有するくらいで、そんなに細かく話すことでもないですしね。

【千葉】前作は一緒にやるシーンもなかったので。彼は現場で一緒だったのは、北川さんくらいじゃないですか?

【成田】そうだね。だからずっとギターの練習していました。今回も白石さんとは一緒ではなかったし、千葉くんくらいかも? 「1」も「2」も孤独な戦いをしているんですよ(笑)。

――(ヒロイン役でW主演の)白石麻衣さんの印象はいかがだったでしょうか?

【千葉】とにかくかっこよかったです。本当に真剣に臨んでらっしゃるっていうのも思いましたし、言われたことに対して、自分のやるべき事を100%わかっている感じがしました。でも現場外ではそんなに積極的に話せなかったっていう、自分の“男子校出身感”出てしまって…(笑)。

――今後もしお二人が共演するとしたら、どんな役柄やジャンルにチャレンジしてみたいですか?

【成田】家族とか、兄弟とかね。なんかただ喋ってるだけみたいな、だらだらしているのがいいな。ほっこりするような。なんかちっちゃいことで揉めるみたいな(笑)。

【千葉】『THE3名様』みたいなね。あとは舞台とかはどう? 

【成田】舞台いいね。

【千葉】今、どちらかというと映像の仕事が多いのですが、ジャンルの垣根はどんどんなくしていきたいです。声優やナレーションも好きだし、ラジオもやってみたいですね。“役者だから”ということにこだわらず、自分の興味のあることや初めてのことは、失敗してもいいからどんどんチャレンジしていきたいと思います。

取材・文:齊藤美穂子
撮影:高畠翼

(提供:オリコン)


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