折り紙で「ガンダム」を再現

一枚の折り紙で作られたガンダム(左)とシャア専用ザク(右) 写真提供:Tatsumiさん
 高度な技術が必要とされるハイクオリティーな折り紙作品をTwitterで発表しているTatsumiさん。先月、たった一枚の正方形折り紙で「ガンダム」に登場するモビルスーツを再現した作品を投稿し、話題となった。小さいころから紙工作が好きだったと語るTatsumiさんは、折り紙だけでなくペーパークラフト作品なども公開しており、フォロワーを楽しませている。そんなTatsumiさんに、「ガンダム折り紙」制作で大変なこと、構想にかかった時間、折り紙の魅力などを聞いた。

■序盤のズレは命取り? ガンダムの顔が変わってしまうことも

――オリジナルの「折り紙」作品を作ろうと思ったきっかけは何ですか?

【Tatsumi】折り紙の本を見ながらいろいろ折っているうちに、なんとなく自分でも折り方を考えるようになりました。

――折り紙やペーパークラフトなどの紙工作にハマっていったきっかけは何ですか?

【Tatsumi】小さいころから紙工作が好きで、折り紙、切り紙、ペーパークラフト、ポップアップカードなど、いろいろやっていましたが、10年ほど前に3DCGを展開図に変換するソフト「ペパクラデザイナー」と出会ってから、より精密なペーパークラフトに没頭するようになりました。その後、知人が折っていた「川崎ローズ」(折り紙博士として知られる川崎敏和氏考案の折り紙のバラ)を見て、最近の折り紙のすごさに惹かれて徐々に折り紙に没頭するようになりました。

――子どものころの「折り紙」との思い出を教えてください。

【Tatsumi】子供のころは、ここまで折り紙にハマってはいなかったので、どちらかというと紙工作の材料でした。また、その頃は一枚ではなく複数枚で作る折り紙に魅力を感じていた気がします。

――「折り紙」作品制作において、影響を受けた人はいますか?

【Tatsumi】最近の折り紙のすごさに気付いてから、出会った本が前川淳さんの『本格折り紙―入門から上級まで』(日貿出版社)です。作品の設計について数学的な説明がされていてかなりツボでした。すぐに購入して載っているものを片っ端から折っていったのが、本格的に折り紙を始めたきっかけになっているので、今も自分の折り紙の教科書のような存在です。

――どういったところに「折り紙」の魅力を感じますか?

【Tatsumi】やはり、折り紙最大の特徴である“一枚の紙を切らずに折るだけで形を生み出す”ところだと思います。また、完成品には他の紙工作にはない“美しさ”があると思います。

――「ガンダム折り紙」の様な複雑な作品を折るときに気を付けていることは何ですか?

【Tatsumi】ある程度複雑になると、何回も折らないといけないので、少しのズレが最終的に大きなズレになります。角と角、線と線をぴったり合わせて折るのが大変で、気を付けなければいけないところです。序盤でズレると仕上げに影響してしまい、ガンダムの人相が変わってしまうこともあります。

――実際に「ガンダム」を折るのにかかる時間はどれくらいですか?

【Tatsumi】30分くらいです。

――「ガンダム折り紙」を見た人から、どういった声を聞きますか?

【Tatsumi】SNSのコメントでは「すごい」「かわいい」という声が多かったです。個人的に嬉しかったのは「ザクとグフの区別が付けられるように折り分けてある」「百式がいい」という声ですね。グフはザクの構造を利用していますが、下手をすると“青いザク”になってしまうので折り分けに苦労しました。あと、ガンダムのモビルスーツの中で一番好きなのが百式なので、褒めてもらって嬉しかったです。

■設計図・展開図は事前に作らない「頭の中のイメージで折ります」

――「折り紙」作品を作る前に設計図・展開図は作りますか?

【Tatsumi】頭の中のイメージで折るので折る前に設計図・展開図は作っていません。完成後、折り方を忘れないように展開図を作ることはあります。

――「ガンダム折り紙」の様な複雑な作品の構想に要した時間はどれくらいですか?

【Tatsumi】基本的な形が出来上がるまでは5~6時間くらいだったと思います、そのあとは細部と全体のバランスを整えるのにさらに倍くらいの時間を使ったと思います。一番時間がかかったのは“エマージェイソン”(NHK総合ドラマ『トクサツガガガ』に登場する戦隊ヒーロー)です。バランスをちょっと間違えただけで別のヒーローになってしまうので紙がボロボロになるまで折りました。

――ひと目で何のモビルスーツか判別出来ますが、その特徴をどのように折り紙で表現していますか?

【Tatsumi】特徴のあるパーツに、残りのパーツを足していくイメージです。例えば、ガンダムファンの間でジムを「(凸)」という顔文字で表現しています。「(凸)」がジムの顔に見えるのということは「凸」を中心にデザインをしていくとジムの顔になっていく訳です。

――一般の人でも折り方が分かれば「ガンダム折り紙」は折れるものなのでしょうか?

【Tatsumi】折り紙に慣れている人でないと厳しいと思います。序盤の折り目をたくさんつける段階で紙より心が折れてしまうと思います(笑)。

――一部塗っている部分もあるとのことですが、塗らずに再現するのは難しいのでしょうか?

【Tatsumi】一応、表現は可能ですが、折り重ねた部分の紙が分厚くなって全体の折りに影響が出てしまいます。そうなると、もっと薄くて大きな紙でないと折れません。そういった意味で「ガンダム」は未完成ですので、今後もっと上達したら塗らずに作れるようにリベンジしたいと思っています。

――『機動戦士ガンダム』への特別な思い出はありますか?

【Tatsumi】ちょうどガンプラブームの世代ですので、友達との共通の話題に常にガンダムがあった感じです。子どものころは「モビルスーツがカッコいい」という印象しかなかったですが、大人になってから見ると子どものころには分からなかったドラマがあって、どっぷりハマった気がします。

――折り紙作品へのポリシーをお聞かせ下さい。

【Tatsumi】そのテーマを好きな人が見て「よくぞここを表現してくれた!」と思ってもらえるような作品作りをしたいと思っています。また、幾何学的な面がしっかり出ているほうが美しいと思うので、面の構成をなるべくシンプルに設計したいと思っています。

――今後挑戦してみたいことはありますか?

【Tatsumi】複数の折り紙を使って、関節が動くロボットとか作りたいですね。あと、ペーパークラフトと折り紙の技術を使って、ポップアップカードも作りたいです。紙工作全般が好きなので、いろいろな技術を身に着けて、フィードバックしあって自分なりの“何か”を作り出せたら嬉しいです。

(提供:オリコン)




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