スーパードルフィー 育む独自文化

独自文化育むスーパードルフィー/創作造形 (C) ボークス・造形村」(C) 1998-2019 VOLKS INC. All rights are reserved. スーパードルフィー(R) はボークス社の登録商標であり、その全ての権利を所有しています。
 京都の企業・株式会社ボークスが手掛けるフルカスタマイズドール「スーパードルフィー(以下SD)」。99年の発売から20周年を迎えるSDは、SNSで「#うちのこかわいい」というタグとともに投稿され、ファンを増やし続けている。誕生当時から開催されてきた「ドールズ・パーティー」は、海外からオファーがあるほど人気のイベント。日本発、「ドール」と「フィギュア」を掛け合わせたSDがなぜ多くの人に愛されてきたのか。ドール企画室の重田茜理さんに話を聞いた。

■京都発のドール文化 ユーザーが育んだ独自の世界観

 1972年に創業した京都のホビーメーカー、ボークス。主に男性向けのプラモデルやフィギュアを作っていたが、「女性にも受け入れられる商品を作りたい」という思いから1999年にSDが誕生。サイズや髪型、顔立ちからメイクまですべて自分好みに選べる「フルチョイスモデル」もあり、女性を含め多くのユーザーから支持されるようになる。すべて自社の工場で手作りされ、仕上げの顔はメイクアーティスト達が筆やエアブラシでメイクするというこだわりぶり。注文から届くまでに2カ月近くかかるが、世界にたったひとつしかない自分だけのSDに価値を見出すユーザーが続出している。

 今年で誕生20周年。着実にファンを増やしてきたSDは、現在10万人ほどの会員を持つ。近年はSNSの普及によって「#うちのこかわいい」のタグとともに投稿され、持ち主である“オーナー”同士の交流も。ひとつひとつが個性的でまったく違うため、それぞれのSDを披露する場になっているのだ。

 多くの人に愛されるようになった要因について重田さんはこう分析する。
「支持をいただいた最大の要因は、お客様ご自身が“自己表現のツール”として選んでくださったことと、ボークスがその環境整備に力を尽くしてきたからだと思います。日本全国に展開した店舗や、徹底したサービスは安心感があり、定期的に開催される新作発表イベントでは、つねに新しいコミュニティが誕生しています」

 細やかなサービスのひとつが、「里帰りシステム」。経年劣化や直したい部分があるときは、いつでも京都の工房で専任スタッフがメンテナンスをしてくれるのだ。パーツを取り替えたり、新しいメイクを施したりと、SDを変化させられる点も人気の要因だろう。

 また、SDの購入を意味する「お迎え」という言葉は、オーナー同士の間で自然に広まったという。

 「文学や歴史、美術に興味をお持ちの方が多くおられるのもオーナー様の特徴で、そうした背景が丁寧で深い言葉を使われる所以だと思います」(重田さん)

 SNSでの発信や、独自の言葉遣いなど、ユーザーが育んできた独特の世界観も、SDの人気をより強固なものにしていると言えそうだ。

■イベント開催、累計92回 ドールズ・パーティーは「家族のような役割」

 SDの世界において欠かせないのが、各地で開催される「ドールズ・パーティー」の存在。新作ドレスや小物などの展示&購入、ドルフィーのオーナー同士が交流できるお茶会、ステージイベントなどが行われ、毎回大盛況だ。

 「ドールズ・パーティーは、年に4度、世界中からドルフィーとそのオーナー様が集まる世界最大級のドールイベントです。ドルフィーの家族が一同に集まり、盛大に楽しむイベントとしてご好評をいただいています」(重田さん)

 昨年12月の開催で40回目となった大規模な「ドールズ・パーティー」の他にも、大小さまざまな規模、場所で累計92回のイベントが開催されている。海外からのオファーも多く、今年は9月8日にアメリカのカリフォルニア州アナハイムで、開催が予定されているほどの人気だ。

 「ドールズ・パーティーは簡潔に述べると、家族のような役割を果たしていると思います。イベントに参加すると、共通の趣味を持ったたくさんの人々が温かく迎え、認めてくれる。手作り感やアットホーム感を感じられる場でもあるので、ドルフィーのためだけに用意された特別な空間に喜びを感じていただけると思います」(重田さん)
 
 家族のような存在であるとともに、実際に親子の絆を深めるきっかけにも。
「SDをお母様やお父様へプレゼントされ、ご一緒にイベントへ来られるなど、とても素敵な親子関係を築かれているオーナー様も多数おられます」(重田さん)

 SDを通じてつながる人々の輪。その輪は国内を飛び出し世界中に広がり続けている。

■海外人気も獲得、20年間の苦労と今後の可能性とは

 一方で、アメリカや韓国など海外でも開催されているドールズ・パーティーにおいても、誰もが楽しめるように日々改善が行われている。

「東京ビッグサイトで開催する大規模なものから、各地方で行う小規模なもの、海外など様々な場所で開催させていただいてきました。楽しみ方が多様化する中、性別や年齢、言語や文化の違いを超えて楽しんでいただけるように、現在でも入場方法や販売方法など絶えず改善改良を試みています」(重田さん)

 さらに、ボークスではSDを改良し、医療用や介護用のセラピーに利用する試みも始めているという。

 「オーナー様の環境や人生のステージに合わせて進化していけるように、努力を続けていきたいと思っています」(重田さん)

 つねに最善を目指して挑戦を続けるメーカーと、その思いを受け取るSDの“オーナー”たち。ともに歩んできた20年で育んできた独自の文化は、今後さらに世界に広がっていく大きな可能性を秘めていると言えるだろう。

(提供:オリコン)




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